訴訟代理・裁判所提出書類作成業務( 司法書士業務 )
小額訴訟(会社編)
労使関係で生じる問題から、 サービスや品物の代金回収の問題まで不況の影響があってか仕事上のトラブルはますます増加の傾向にあります。
これまでは裁判に持ち込むといっても、 少額の金額では、 費用や時間の面でデメリットがある場合が多かったのですが、 「少額訴訟手続」ならスピーディーで負担もわずか。
支払われない賃金、 解雇予告手当や代金の回収に大いに役立ちます。
● 以下の事例は少額訴訟を利用することができるものを想定したもので、 実際の事例や判例ではありません。
- 売買代金を支払ってくれない!
- ある個人商店に電話兼ファックス(価格36万円)を売り渡しました。
支払いは翌月末の一括払いという約束でしたが、 「今月は無理」と繰り返され、 3ヶ月も支払いを引き伸ばされています。
少額の商品の売買なので売買契約書は作成していませんが、 どうしたらよいでしょうか。
- 解決へのアドバイス
- 売買代金の請求では、 売買契約が成立したことを主張・立証しなければなりません。
売買契約書がなくても、 買主の注文書とか納品書、 請求書、 売掛台帳、 商品を配達した際の物品受領書があれば売買の事実を立証できます。
もし、 相手が突然倒産などの事態になって回収できなくなった場合、 損をするのは貴方ですから、 少額訴訟を利用して回収を図ってみてはどうでしょうか。
- 報酬を支払ってもらえない!
- 自家用車の車検を頼まれて車検作業を行った。法定の税金や保険料をも立て替えており、 車を届けた時にその分を含めた代金30万円を請求したが、 今は金がないので1ヵ月後に払うという返事。
仕方なく了承したが、 1ヶ月を過ぎても支払う様子もなく、 催促しても全く無視。
何かいい方法はないだろうか。
- 解決へのアドバイス
- このケースのような請負代金請求では、 請負契約の内容(いつ、 誰と誰が、 何についていくらの、 工事〔役務提供〕を行ったか)とその結果工事が完成してその目的物を引き渡したことを主張・立証しなければなりません。
報酬は後払いが原則ですが、 当事者間でそれと異なる支払方法を定めることもできます。
相手に余りにも誠意が見られない場合は、 少額訴訟を選択してみてはどうでしょうか。
- 突然解雇された!
- コンビニで6ヶ月間アルバイトをしていたが、 ある日突然「明日から来なくていい」と言われ、 その日までのアルバイト代だけ手渡された。
突然のことで次のアルバイトもすぐには見つからず困っていたところ、 友人から解雇予告手当を請求できるのではというアドバイスを受けた。
アルバイトでも解雇予告手当を請求できますか。また、 どのようにすればよいのでしょうか 。
- 解決へのアドバイス
- 解雇をする場合、 30日以上前に解雇予告をするか、 30日以上の平均賃金を「解雇予告手当」として支払わなければなりません(労働基準法20条)。
この解雇予告制はアルバイトやパートにも適用されますが、 解雇予告制が適用されない例外もあります(同法21条)。
貴方の場合は、 例外には該当しないと思われますので、 解雇予告手当を請求することができます。
雇主と交渉したり、 労働基準監督署で相談しても支払って もらえない場合は、 少額訴訟を利用しましょう。